もうこんな時期が来てしまったのかと思うと、自然と溜息が出る。どうしたものかと私は目の前にある紙とにらめっこをしていた。
進路を書いて提出をしなくてはならない。皆はどうしているのだろうか。
適当に書いて出すかと考えたがそれだと後々面倒くさくなってくるだろう。
今の自分のことを事を考えるだけでも精一杯だというのに、将来の事まで考えなくてはならないとは。
考えれば考えるほど苦しくなってくる。嫌なものがぐるぐると駆け巡っていく。
ああーっと心の中で叫びながら頭をかき乱す。
その時、昨日の夜に見たある番組を思い出した。
私はひとり細く笑むと、目の前にある紙に折り目を入れていった。
誰でも作った事のあるだろうそれを黙々と作る。折り目は一度しか入れてはいけない。でなければ遠くに飛ばす事が出来ないからだ。
名人が作るみたいには出来ないだろうけど、少しくらいは飛んでくれるだろう。なんたってミリ単位で折り目を入れなければいけないみたいだから。
まさかそんなにすごい事になっていようとは思いもよらなかった。
何事でも奥深いものである。
なんて柄にも無いことを考えているとそれは完成した。
「でっきあがり〜」
久しぶりに紙飛行機なんて作ったなぁ。
周りに誰もいないこと確認して、私は作りたての紙飛行機を空へと送り出した。
紙飛行機はすっと私の手を離れていくと―――
横風が吹いて飛ばされた
そのまま飛ばずに落ちていく
高く舞い上がって飛んだ