今日はいたる所から甘い香りが漂ってくる。それがチョコであったりクッキーであったりカップケーキだったりとそれはもう様々だ。
そしてそれらの持ち主である彼女たちは朝からずっとそわそわそわそわしている。はたから見ていると見ていると結構面白いのだけれども本人たちは至って本気であり、真剣なのである。
特に1年生となれば始めてのお姉さまとのバレンタインというのもあって一段と落ち着かない様子。2年生やや3年生で始めて姉妹が出来た人もきっと同じ心境なんだと思われる。なんだか初々しくて微笑ましいのは言うまでもない。
自分はと言うと残念がら姉妹というのがいないのでそういう気持ちとは程遠い。かと言って姉妹が欲しいのかといわれればそうでもなく、作る気などはさらさら無かったりする。他の人から言わせればどうしようもないだろうと思う。でもやっぱり作る気は無い。
でわ、姉妹でなくとも友達とかに渡せばいいではないかと言うのは愚問でしかない。
別にバレンタインそのものに興味が無いわけではない。何日か前は友達と一緒に雑誌やお菓子の本を見たりしてこれがいいとか、あれがいいとか、これが美味しそうだとか言って一緒に盛り上がっていた。
ならなぜドキドキワクワクしていないのかと言うと、作るのがものっすごい面倒くさいからである。この一言に尽きる。もちろん貰うのは大歓迎。作るのは全否定。買えばいいという考えにはもちろん行かない。高すぎるから、以上。さすがに板チョコとか貰っても正直誰も嬉しくないだろうし。
なので私は全面的に彼女たちを応援することにした。特に何か手伝ったりする訳では無く、心の中でこれでもかってくらいに勝手に応援しているだけだ。全く彼女たちには伝わらないだろうけれど私は満足だ。
何の偶然か今日は土曜日で学校は半日となっている。いつもより2割り増しで早く授業が終わったように思える。
もう渡しに行った人たちもいるだろうけれど大半はこれから勝負らしい。これまた勝手に彼女たちの背中にエールを送って、私は早々に教室を離れた。





ある人物を発見
図書館へ用事が…
ゴロンタに餌をあげよう
真っ直ぐ帰る
音楽室からピアノの音が聞こえてくる
掃除をしに外へ
催促をしに行く
下駄箱で足止めをくらう